聴神経腫瘍の治療
1:MRI撮影を繰り返しながら様子をみる(経過観察)
2:放射線治療の一部であるガンマナイフやサイバーナイフなどの治療を受ける
3:手術して取り除く

【経過観察】
腫瘍が小さい場合は、外来でMRIなどを撮りながら経過を見ることもひとつの選択で、
腫瘍の大きさの変化を医師と共に観察します。様子を見ている間に腫瘍の大きさが明らかに大きくなる場合、
放射線治療か手術を考慮します。


【放射線治療】
放射線治療が行えるか、手術を行うかの分かれ目は、腫瘍の大きさで3cmがその境です。
腫瘍が3cmを超える場合は、放射線治療を行えません。
また腫瘍が袋状に大きくなっている場合も、あまり放射線治療を勧められません。
3cm未満の腫瘍には、放射線をかけることが可能です。
放射線治療は入院も短期間ですみ、体への負担が少ない良い方法です。
ただし放射線治療を行うとすぐに腫瘍が小さくなったり、また完全に腫瘍が消えることはありません。
放射線治療では、腫瘍の発育を押さえ込む効果を求めます。
日本では、ガンマナイフやサイバーナイフなどの放射線治療を多くの施設が行っています。

放射線治療の問題点は、症例が外科的治療よりも少ないことです。
そのため、長期的観察がまだ不完全で、将来的な見通しが確立できてないそうです。
ガンマナイフ治療後に癌を発症した例も報告されています。
多くの脳外科医は、患者の年齢が若い場合(40代位まで)外科的治療を薦めるようです。


【外科的治療】
腫瘍の大きさが3cmを超え、周りの脳が変形している場合や、水頭症を合併している場合などは、
手術で病変を取り除くことが優先的に検討されます。
また、3cm未満でも病変を取り除くことを強く患者さんが希望される場合、
手術による治療が検討されます。
手術のメリットはなんと言っても腫瘍を確実に取り除くことができるか、
相当な大きさまで腫瘍を小さくできることができる事です。
手術は、腫瘍と並行する顔面神経の機能をいかに保存しながら病変を最大限取り除くか、
可能なら聴力を悪くしないで病変を取り除くか、以上2点がポイントです。
一般的に耳鳴りは改善しないといわれております。
また手術して残った小さな腫瘍に対して、後日放射線治療を行うことがあります。

外科的治療の問題点は、やはり顔面麻痺が残る可能性が高いことです。
また術後、ドレーンで脳内にたまる髄液を抜くのがうまくいかず、再び開頭するなどの不安材料もあります。


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放射線治療も、外科的治療も聴力の温存は治療時の聴力にもよるみたいで
だいたい40db位までなら残せる可能性が高いそうです。
それ以上になると完全に聴力を失う可能性もある・・・という事でした。
また顔面麻痺についても、放射線治療でも場所により顔面神経の細胞を傷つけてしまう可能性があります。
放射線治療の場合は、照射後一時的に小さくなった細胞が、また一時的に大きくなり
その後小さくなっていく・・・という経過をたどるため、その際に頭痛や顔面痛、聴力の低下、麻痺などが
見られる場合もあるとの事でした。
どちらの治療方法でも、再発する可能性もあります。
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