治療中断後
治療中断から再度通うようになるまで8年という月日がある。
その間、何もしてないか・・・って言うとそうでもない。
残ってた薬を思い出した頃、時々飲んだり・・・ダメじゃん!って事を平気でしてました。

今思えば、若さ・・・の一言。
症状があっても、若さで乗り越えた・・・それだけだと思う。
体の変化=甲状腺・・・という方式は、私には全くなかった。
風邪を引くと治りにくくなり、高熱が続くようになった。
扁桃腺をもっているので、そのせいだと思っていた。
下痢が増えた。
これも、水商売という仕事柄、飲んで飲んで飲みまくる、したっぱ時代だったので仕方がないと思ってた。
周りもそう言っていたから。

そして、30歳を過ぎた頃、
風邪を引き、4日間39度の熱が続いた。ずっと"治る"と言い聞かせ我慢していたけど、
4日目にどうにもならなくなり、救急車で病院へ行った。
日赤以外の病院へは通った事がなかったので、「第一赤十字病院へ」と救急隊員に言った。

到着後、消化器の先生がああでもない、こうでもないと言っているので、甲状腺の病気だと伝えた。
ようやく納得したのか、治療を始め、1日入院。
私には1日が限界だった。

内科の女の先生に再度の通院を約束させられた。
それから半年間・・・あの頃と何も変わらない日、それよりひどい日々が続いた。
妊娠する事がある場合、メルカゾールを飲み続けても大丈夫か聞くと、説明もなく
薬はチウラジールというのに変わった。1日/2回/2錠の計4錠スタート。

この薬がまた、飲むのが嫌になるんだけど、
飲んで10分ほど経つと、何をしても消えない苦味としびれの感覚が襲う。それが15分〜30分続く。
メルカゾールでは全くなかった事だった。
医者に言っても、ふぅん・・・という感じだった。

医者あたりが悪いと思う事が多かった。
日赤ではないけれど、お腹が痛くて出血が1ヶ月近く続いた時、飛び込んだ産婦人科の医者は
私にこう言った。
「卵巣が腫れてるみたいだけど、水商売なんかして、いろんな人とSEXしてるからじゃないの?
一応性病検査もしとくから」

目が点になった。
こんなに悔しい思いがあるのか?と、泣きながら家に帰った。
もらった薬で治らなかった。
日赤の産婦人科に行ったら、卵巣に膿がたまり、危うく手術しなくちゃならないほど悪化してた。
もちろん性病ではなかった。
この時の経験は、言うまでもなく今までの医者不信に+大きく影響した。

再度日赤に通った時のこの内科の女医もまた、同じように職業差別をする人だった。
マナーも頭も悪い人で、暴言を吐かれたのを機にまた行くのを止めた。
また・・・という思いが消える事はやっぱりなかった。

その後何度か風邪を引いた。
知恵がついて、熱が出たらすぐに近くの病院へ行って点滴を受けた。これが【磯田内科】だった。
ここの先生はとても厳しく思いやりがあった。
初めて日赤に行った時の担当の先生や小原先生を思い出した。
磯田先生は、私を見ると甲状腺、病院行かなあかんで・・・紹介してあげるし・・・といつも言ってた。
私が日赤での女医の件を話し、もう嫌だと言うと、先生はその女医を知っていた。
そうかぁ〜ひどいヤツやな・・・と同情された。
違う病院で、甲状腺の名医(現在の東山武田病院の森院長)がいるから・・・と言われたが
それでも私はNOだった。
医者に嫌な思いをさせられるのは二度とごめんだった。

いつからか、仕事場に来たお医者さんのお客さんにも「甲状腺か?」と聞かれるようになった。

そんな事が何度か続き、不安になった事が1度だけある。
それはいつもと同じように風邪を引いた時。下痢が止まらなくなったのだ。
何を食べても何を飲んでも、トイレから出られない、ずーーーーーっと下痢。
もう何もでないのに、おしっこもお尻から出る・・・みたいな。
20回くらいトイレに行き、一息ついて、すぐに磯田内科へ彼氏に連れて行ってもらった。

「今すぐ入院したほうがいい。電話で言うから・・・」と磯田先生は真面目な顔で言った。
私は、え?今すぐ?それは無理・・・と思い、そう言ったけれど、この状況を見れば
誰でもこう言うんだろうな・・・という気もした。
「1日だけでもいいんだから・・・」と言われたが、私はウルウルしながら「嫌です」と言った。
先生はかなり呆れて怒った様子で
「今日は点滴だけするけど、きっとすぐに治らないよ。全部甲状腺から来てるんだよ。
これ以上ひどくなったら絶対に病院に行ってもらうから。真面目に考えないさい」と。

私は点滴を済ませ外で待つ彼氏に説明し、家に帰って考えた。

そして元気になったあと、初めてネットで自分の病気を調べた。
もしも今の自分が最悪の状態なら入院も覚悟だった。

だけど、1時間で飽きた。
意味がわからなかった。初期症状しか書いてないし、それが自分と同じでも、
放って置いたらどうなるのかなんて、どこにも書いてなかった。

そして私は、また、"まぁいいか・・・風邪も下痢も治ったし・・・"と思った。




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