治療を受けた10年間
治療を受けた・・・・と言うのはあまり正しくないけれど・・・薬を飲み続けた10年間。

この10年の変化はとても大きかった。
高校を辞めた。大検を受けた。働いた。最初の担当の先生が転勤し、その後亡くなった。
後の担当医も何度も変わった。母が膠原病になった。父がくも膜下になった。引っ越した。
ひとり暮らしを始めた。水商売を始めた。・・・などなど。
大人になればなるほど、病気に構ってる時間が減った。もったいなかった。

先生が何度も変わって、説明がなくなり、事務的な時間だけが流れ、待ち時間が3時間でも
5時間でも、診察は3分になった。血液検査の結果さえ聞く事も、話してくれる事もなくなった。
この病気を治すには、薬を飲むしか方法がないと思ってた。

薬を飲み始めて2年後位に、手術を薦められたような記憶が今思えば、ぼんやりある。
母は、女の子だし、傷も残ると嫌だから・・・と断ったと、最近聞いた。
私は興味がなく、どっちでもいいと思ってたと思う。
今は、あの時手術を受けていれば・・・と思う事もあるけど・・・どうなっていたか考えるとそれはそれで
正しい選択だったかも。

治療開始から5年後、片方が一重だった目が二重になった。一番嬉しかった。
目が出ている・・・と言われても、自分ではわからなかったので、凹んだとは思ってなかった。
寝不足が続いて二重になったと思ってた。

診察の回数は、2週間に1回から、1ヶ月に1回→3ヶ月に1回→半年に1回まで減り、
薬も、1日/2回/2錠の計4錠になってた。
最初の5年くらいは精神的な躁鬱があり、安定剤と、胃薬ももらってた。
この安定剤が欲しくて病院へ行っていたような気さえする(笑)

診察を受けずに母に薬だけもらってきてもらった事も多かった。
薬も飲んだり飲まなかったりだった。

治る?治らない?もういいやろ?って気持ちがあった。
どう良くなったのか、どうあの頃と違うかなんて、目に見えるものは何もなかった。

そして病院のシステムが、診察を受けないと薬が出せない・・・というのになり、
私は、病院へ行く距離、時間、お金、すべてがもったいなくなり、とうとう行くのを止めた。




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