投薬治療の中止の指標
投薬が長期に渡ると皆さんが気になってくるのはこれだと思うので、医療関連の情報を元に
作成しました。(2004年)少し難しいかもしれませんが、よく読めばなるほど・・・です。

バセドウ病の抗甲状腺薬の中止はTRAb(TSHレセプター抗体)を参考に行われている事が多い。
TRAbが陰性であっても再発する例がある。
メルカでもチウラでも1錠/1日で6ヶ月以上TSHの正常値が維持され、その後1錠/隔日で3ヶ月後に
TSHが正常値であればTRAb値に関わらず、抗甲状腺薬を中止する。

中止後12ヶ月以内、TRAbが陰性での寛解率は60%と高いが、陽性の場合25%となる。
従来のTRAb測定(コスミックV)よりも高感度TRAb測定(コスミックCT/ヤマサ)の方が
有効であり、従来の測定で陰性でも、高感度で陽性と出れば再発率は上がる。

この高感度TRAb測定は、抗体価が3つに分けられ、
・1.0IU/L 未満(陰性)
・1.0IU/L 以上3.0IU/L未満(中等度陽性群)
・3.0IU/L 以上(陽性)
※上記はヤマサ

・10%以下(陰性)
・10%以上30%未満(中等度陽性群)
・30%以上(陽性)
※上記はコスミックCTの場合

この、高感度TRAb中等度陽性群のうち、TSHが1.0以上で寛解率は、高感度TRAb陰性群と
同じ程度の寛解率を示す。(1.0以上で70%と上がるが、1.0以下の場合22%である。)

要するに高感度でのTRAbの検査で陰性と出れば、寛解率はかなり高くなる。
従来のものか、高感度なのかは各医療機関によって異なる。専門病院では高感度が多いと思う。
個人病院では値段が違うので従来のTRAb測定に依存してるかもしれない。

1.5年投薬を続けて寛解しない場合、それ以上続けても寛解しない事が多い。
7割の確率でTRAbの高さと、抗甲状腺薬による治療期間によって再発するかの目安になる。

ちなみに、抗甲状腺薬は、メルカゾールの方が効き目があります。
日本ではメルカゾールが一般的で、プロパジールの症例が少ない為以下確実ではないらしいが・・・
参考まで。
肝機能障害はプロパジールの方が多く見られるが、インスリン自己免疫症候群はメルカゾール特有の
重大な副作用となっている。
軽度の副作用については、メルカゾールは多く服用すれば出ることが多い。少量だと低い。

メルカゾールの方が症例が多いため、安心して使用できると言われている。(費用・効果面含む)

初期投与の量については、10mgと40mgで比較したところ、40mg(通常8錠)で正常値に入るのが早い。
ただ、10mgでも、3ヵ月後にはほとんどの患者が正常値になる。(99.5%)
軽症では1日15mgでよく、重症の場合は15mgでは少ない。
初診時のT3・T4・TSHによるが、中毒症の場合6錠スタートが多い。3ヶ月経っても下がらない場合は
薬の量が適正ではない。

これを書いてて、私は思った・・・甲状腺専門医でなくても、内分泌の専門医でも良いと思う。
初めての人はやっぱり近くの小さい病院へ行くより、きちんと甲状腺科もしくは
内分泌科のある病院へ行ったほうがよい。通常の内科医は、知識が薄いし検査も違う。
どうしても不可能なら、専門病院の記事をプリントアウトして持って行って勉強してもらったほうがいい。
相談に乗ってくれない医者なら、変えたほうがいい。

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